ワキガ手術で後悔しないためのポイントを徹底解説！

大阪府大阪市の古林形成外科難波院です。当院では日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。

本記事では、ワキガ手術を受けた方の中に見られる「後悔の事例」とその原因についてご紹介するとともに、手術を検討されている方が後悔しないために押さえておきたいポイントについて解説します。ぜひご参考ください。

ワキガについて

ワキガは、医学的には「腋臭症（えきしゅうしょう）」と呼ばれ、日本人では特に体臭に対する意識が高く、コンプレックスにつながりやすい疾患とされています。ここでは、ワキガの原因と治療法について詳しく解説します。

ワキガの原因

汗を分泌する汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺があります。エクリン汗腺は全身に広く分布し、主に体温調節のために水のようにさらさらとした汗を出します。一方で、アポクリン汗腺はワキ、乳首、陰部、外耳道など限られた部位に存在し、脂質やタンパク質を多く含む汗を分泌します。

ワキガの主な原因は、このアポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚の常在菌と混ざり合い、分解されることで発生する特有の臭いです。分解によって生じる物質には、低級脂肪酸や揮発性硫黄化合物などが含まれており、硫黄臭、スパイシー臭、雑巾のような臭いと表現されることもあります。

ワキガの治療法

ワキガの治療は、大きく「根治療法」と「対症療法」に分けられます。

根治療法とは、ワキガの原因となるアポクリン汗腺自体を除去または破壊することで、臭いの原因を根本から取り除く治療法です。代表的な方法には、皮膚を切開して汗腺を直接取り除く「剪除法（皮弁法）」や、マイクロ波を用いて汗腺を焼灼・凝固させる「ミラドライ」があります。

一方、対症療法は臭いを一時的に抑える目的で行われます。外用薬には、エクロックゲル（ソフピロニウム臭化物ゲル）やラピフォートワイプ（グリコピロニウムトシル酸塩水和物液）があり、汗の分泌を抑制する効果があります。また、ボトックス注射によって汗腺の働きを抑える方法もあります。

これらの治療法は、効果の持続期間が限定的ではありますが、症状が軽度の方や、手術やミラドライによる治療に抵抗がある方にとって、適した治療法といえます。

ワキガ手術で後悔する事例

ワキガ手術の代表的な治療法である「剪除法」は、アポクリン汗腺を直接取り除くことで、高い治療効果が期待できます。しかし、実際に剪除法を受けた患者さまの中には、術後に後悔される方もいらっしゃいます。ここでは、ワキガ手術で後悔する事例についてご紹介します。

ダウンタイムが長く、仕事や生活に支障が出る

剪除法は皮膚を切開して行うため、術後はおよそ1〜2週間程度の安静期間が必要です。ワキにはガーゼ固定や圧迫処置が施され、腕の動きが制限されます。そのため、仕事や日常生活に支障をきたし、後悔されるケースがあります。

傷あとが残る可能性がある

剪除法は切開手術であるため、術後に傷あとが残るリスクがあります。患者さまの中には、見た目に対する不満から後悔されるケースもあります。

ただし、切開はワキのしわに沿って行われるため、時間の経過とともに傷あとが目立ちにくくなります。通常は手術後数か月から1年ほどで、しわと同化するような自然な見た目へと落ち着いていきます。

ワキガの再発や効果が不十分

剪除法は、アポクリン汗腺を取り残しなく除去することが求められる手術であり、高度な技術と経験を必要とします。そのため、執刀医の技術力によって手術結果に差が生じることがあります。

技術や経験が乏しい医師による手術では、アポクリン汗腺が一部残存し、期待したほどの効果が得られずにワキガが再発し、後悔につながる場合もあります。

ワキガ手術で後悔しないためのポイント

ワキガ手術で後悔しないためには、治療内容への正しい理解と、信頼できる医療機関の選定が重要です。ここでは、ワキガ手術を受ける際に押さえておくべきポイントについて解説します。

術後のダウンタイムをあらかじめ考慮する

剪除法は高い治療効果が期待できる一方で、術後には1〜2週間程度の安静期間が必要です。この間、ワキを固定するガーゼや圧迫処置により腕の可動が制限され、仕事や日常生活に支障が出ることがあります。そのため、手術を検討する際には、ダウンタイムをあらかじめ想定し、仕事や生活への影響を最小限に抑えられるようにスケジュールを調整しておくことが大切です。

術後の経過や傷あとに関する正しい理解を持つ

剪除法は皮膚を切開して行う手術であるため、術後に傷あとが残る可能性は避けられません。切開はワキのしわに沿ってデザインされるため、時間の経過とともに目立ちにくくなりますが、完全に消えるわけではないことを理解しておく必要があります。術後の経過や傷あとの変化についても、事前に医師から十分に説明を受けておくことが重要です。