ミラドライはワキガに効果がない？原因と対処法を専門医が解説

大阪府大阪市の古林形成外科難波院です。当院では、ミラドライ公式認定医の形成外科専門医が施術を担当し、広範囲ダブル照射によるミラドライ治療を行っています。

「ミラドライを受けたのにワキガがあまり改善しなかった」「ミラドライはワキガには効果がないと聞いたけど本当？」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。インターネット上には多くの情報があふれており、どれが正しいのか判断できず悩まれている方も少なくありません。

本記事では、ミラドライのワキガに対する効果について医学的な視点から整理し、効果を実感しにくいケースの背景や原因、さらに後悔しないための対処法までを分かりやすく解説します。

ミラドライはワキガに効果がない？

「ミラドライはワキガには効果がない」という情報を目にすることがありますが、医学的にはワキ汗（腋窩多汗症）および腋臭症（ワキガ）に対して有効性が認められている治療法です。

ミラドライはマイクロ波の熱エネルギーで汗腺を焼灼・破壊し、機能を停止させる仕組みで、ワキガのにおいの元となるアポクリン汗腺にも作用します。米国では腋窩多汗症・腋臭症・減毛の適応で承認されており、海外の臨床研究でも、治療直後に約80％の患者さんがにおいの改善を実感し、治療後2年の時点でも約89％で効果が持続したと報告されています 1)。

ただし、効果の実感には個人差があり、照射範囲や照射内容が適切でない場合には、期待したほどの効果が得られないケースもあります。その点は、注意が必要です。

■参考文献
1） Hong, H. C. H., Lupin, M., & O’Shaughnessy, K. F. Clinical evaluation of a microwave device for treating axillary hyperhidrosis. Dermatologic Surgery , 38(5), 728-735, 2012

ミラドライで効果がなかったと感じる主な原因

ミラドライは臨床研究でも高い効果が確認されている治療法ですが、施術を受けた方の中には「期待したほどの効果が得られなかった」と感じる場合もあります。ここでは、その主な理由について解説します。

生き残った汗腺が再び活動し、症状が再発するケース

ミラドライは、1回のマイクロ波の照射ですべての汗腺を破壊できるわけではなく、一般的には約20〜30％の汗腺が残るとされています。治療直後は、残った汗腺もダメージの影響で一時的に機能が低下し、発汗が抑えられます。しかし、時間の経過とともにこれらの汗腺が再び活動を始めると、ワキ汗やワキガの症状が再発する可能性があります。

施術技術の差によって効果が十分に得られなかったケース

ミラドライは医療機器を用いた治療ですが、照射範囲・照射密度・深さなど、施術者の技術や経験が効果に大きく影響します。照射が浅い、範囲が狭い、照射にムラがあるといった不適切な施術が行われた場合、汗腺が部分的に残ってしまい、十分な改善が得られないことがあります。

たとえば照射範囲が狭い場合、ワキの外側だけ汗腺が残り、ドーナツ状に汗が出るといった典型的なケースがみられます。

ミラドライの効果を引き出すためのポイント

ミラドライは適切に施術を行えば高い効果が期待できる治療ですが、その効果を最大限引き出すためには、いくつかのポイントがあります。特に、照射方法や施術者の技術・経験は治療結果に大きく影響します。

効果を引き出す施術方法を選ぶ

ミラドライは照射範囲・照射密度・照射回数によって効果が変わります。照射範囲が狭すぎたり、1回のみの照射にとどまる場合、汗腺が残りやすく、十分な改善が得られないことがあります。

そのため、ワキ全体を広範囲に照射する施術法や、同じ部位へ2回照射する「ダブル照射」など、より高い効果が見込める施術方法を採用している医療機関を選ぶことが大切です。

ミラドライ公式認定医が在籍するクリニックを選ぶ

ミラドライは医療機器による施術ですが、施術者の技術力が結果に大きく影響します。

ミラドライ公式認定医は、開発元のMiramar Labs社が定めた基準をクリアした医師に与えられる資格で、ミラドライの知識と経験を有していることを示すものです。公式認定医が在籍しているかどうかは、そのクリニックの技術力や信頼性を判断するうえでの重要なポイントです。

医師が施術を直接行うクリニックを選ぶ

一部のクリニックでは、診察は医師が担当していても、実際の施術は看護師が行う場合があります。ミラドライの照射には、深さ・密度・範囲などを細かく調整する技術が求められ、施術者の経験が不足していると期待した効果が得られない可能性があります。

そのため、診察から施術までを医師が一貫して担当するクリニックを選ぶことが、満足度の高い治療につながります。

まとめ：ミラドライで後悔しないために

ミラドライは、腋窩多汗症（ワキ汗）や腋臭症（ワキガ）に対して医学的にも有効性が認められている治療法です。しかし、「効果がなかった」「思ったほど改善しなかった」と感じるケースがあるのも事実であり、その多くは治療そのものの限界ではなく、施術方法や施術者の技術に起因していると考えられます。

ミラドライで後悔しないためには、「ミラドライを受けるかどうか」だけではなく、「どこで、誰に、どのような方法で施術を受けるのか」を慎重に見極めることが重要です。効果的な照射方法と、十分な経験と技術を持つ施術者による治療を受けることで、納得のいく効果が得られる可能性が高まります。

ミラドライ治療は古林形成外科 難波心斎橋院

大阪府大阪市の古林形成外科 難波心斎橋院では、ミラドライや剪除法、ボトックス注射などによるワキガ治療を行っています。

当院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が、患者さま一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドのワキガ治療を行います。ミラドライの施術においても、再発リスクを防ぎ、施術時の安全性を高めるため、形成外科専門医による広範囲ダブル照射を実施しています。

ワキガでお悩みの方やミラドライ治療をご検討中の方は、ぜひ当院までご相談ください。