ワキガは子供に遺伝する?症状を抑えるためのセルフケアも解説!

大阪府大阪市の古林形成外科難波院です。当院では日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
本記事では、ワキガの発症に関わる要因や遺伝性の仕組み、さらに症状を抑えるためのセルフケアについて解説します。ぜひご参考ください。
ワキガの遺伝性について

ワキガの原因はさまざまですが、その中でも遺伝的要因が大きく関与していることが明らかになっています。ここでは、まずワキガの特徴的な症状を整理したうえで、遺伝との関係について解説します。
ワキガとはどんな症状か
ワキガは、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれる疾患で、わきの下から特有の強い臭いが発生するのが特徴です。その臭いは、硫黄のようなにおい、スパイシーなにおい、あるいは濡れた雑巾のようなにおいと表現されることがあります。
この臭いの原因は、汗腺の中でも「アポクリン汗腺」から分泌される汗と皮脂が、皮膚に存在する常在菌によって分解されることで発生します。アポクリン汗腺からの汗そのものは無臭ですが、常在菌によって分解されることで臭いのある物質が生じ、ワキガ特有の臭いが発生します。
ワキガの遺伝の仕組み
ワキガの発症には、アポクリン汗腺の発達に関与する「ABCC11遺伝子」(16番目の染色体)が深く関与していることが、近年の研究で明らかになっています。この遺伝子は優性遺伝(顕性遺伝)の形式で遺伝するとされており、両親のいずれかからこの遺伝子を受け継ぐだけで、ワキガの体質が現れる可能性があります。
優性遺伝とは、対になる2つの遺伝子のうち、より強く働く遺伝子の性質が子に発現しやすい形式のことを指します。一方、もう片方の遺伝子に隠れて表れにくいものは劣性遺伝子と呼ばれます。
親がワキガの場合の子供への影響
ABCC11遺伝子の型によって、子どもへの遺伝の確率は異なります。
両親ともにワキガ体質(優性遺伝子を2つ保有)の場合、子どもがワキガ体質となる可能性は高く、約75%〜100%と推定されます。一方、片方の親のみがワキガ体質である場合でも、子どもがワキガ体質を受け継ぐ可能性は50%前後とされています
このように、ワキガは遺伝的要因の影響を強く受ける疾患であり、親がワキガ体質である場合には、子どもにもその体質が遺伝する可能性があります。ただし、実際の臭いの強さや発症の程度には、思春期のホルモン変化、生活環境、食習慣、ストレスなどの後天的な要因も関与するため、遺伝だけがすべての原因になるわけではありません。
ワキガの発症における他の要因

ワキガの発症には、遺伝的な要因が大きく関与していますが、それだけが原因ではありません。生活習慣や体質などが影響し、症状の発現や悪化につながることがあります。ここでは、遺伝以外のワキガの主な要因についてご紹介します。
性ホルモンの影響
ワキガの原因となるアポクリン汗腺は、性ホルモン、特にアンドロゲン(男性ホルモン)の影響を受けて活性化する傾向があります。そのため、思春期以降にアポクリン汗腺の分泌が増加し、ワキガの症状が現れやすくなるのが一般的です。
また、妊娠や更年期など、ホルモンバランスに変化が生じる時期には、一時的に体臭が強くなることがあります。
食生活の偏り
高脂肪な食事や肉類中心の食生活、スパイスの多い料理を継続して摂取していると、アポクリン汗腺の分泌が活発になりやすくなります。その結果、ワキガの症状が強まる可能性があります。
ストレス
強いストレスを感じると、交感神経が刺激されて発汗が促進されます。特にアポクリン汗腺由来の汗が増えると、皮膚表面の常在菌との反応によって、ワキガの臭いが強くなることがあります。
運動不足
運動不足になると体全体の代謝が低下し、老廃物の排出が滞りがちになります。老廃物が皮膚表面に蓄積しやすくなることで、常在菌との反応による臭いが発生しやすくなり、ワキガの症状が悪化する要因となります。
皮膚の衛生状態
ワキガの臭いは、アポクリン汗腺から分泌された汗を皮膚表面の常在菌が分解する過程で発生します。皮膚が不衛生な状態にあると、菌の繁殖が進み、臭いが強くなることがあります。
喫煙・飲酒
タバコに含まれるニコチンや、アルコール類は、交感神経を刺激して発汗を促進させる作用があり、アポクリン汗腺の活動にも影響を与えるとされています。また、ニコチンやアルコール自体に臭気があるため、体臭が強まる一因にもなります。
ワキガの症状を抑えるためのセルフケア

ワキガの症状をやわらげるためには、日常生活におけるセルフケアが重要です。ここでは、症状の軽減に役立つ代表的なケア方法をご紹介します。
ワキを清潔に保つ
ワキガの臭いは、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚表面の常在菌によって分解されることで発生します。汗自体は無臭ですが、分解によって臭気成分が生成されます。そのため、汗をこまめに拭き取り、皮膚を清潔に保つことがニオイの抑制につながります。
食生活を見直す
脂質や動物性タンパク質を多く含む食事、スパイスの強い料理などは、汗の成分や皮脂の分泌に影響を与え、体臭を強める要因となることがあります。野菜中心でバランスのよい食生活は、腸内環境の改善にもつながり、体臭の予防に有効です。
適度な運動を取り入れる
定期的な運動は、新陳代謝を促し、汗腺の機能を整えるうえで効果的です。さらに、ストレス軽減や自律神経の安定にもつながるため、ワキガの症状の間接的な緩和が期待できます。
喫煙や飲酒を控える
タバコに含まれるニコチンや、アルコールの過剰摂取は、交感神経を刺激して発汗を促し、汗腺の活動を活発にする可能性があります。そのため、喫煙や過度の飲酒を控えることも、ワキガの予防において有効です。
まとめ

ワキガの発症には、遺伝的要因が大きく関与していることが明らかになっています。
親がワキガ体質の場合、子どもにもその体質が遺伝する可能性があります。両親ともにワキガ体質である場合、子どもがワキガ体質となる確率は約75〜100%、片方の親のみがワキガ体質である場合でも、遺伝する可能性はおよそ50%前後とされています。
このように遺伝的な傾向があるワキガですが、症状をやわらげるためには、日常的なセルフケアが重要です。たとえば、ワキを清潔に保つ・食生活を整える・適度な運動を取り入れるといった対策が有効です。
こうしたセルフケアを続けても症状の改善が見られない場合は、専門の医療機関での治療を検討することが推奨されます。医療機関では、外用薬・ボトックス注射・外科的手術・ミラドライなど、患者さまの症状やご希望に合わせた治療を受けることが可能です。
ワキガ治療は古林形成外科難波院

大阪府大阪市の古林形成外科難波院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
ワキガでお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。