保険適用となるワキガ手術とは?効果やクリニック選びのポイントを解説!

大阪府大阪市の古林形成外科難波院です。当院では日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
本記事では、保険適用となるワキガ手術の内容や効果、手術を受けるクリニック選びのポイントについて解説します。ぜひご参考ください。
保険適用となるワキガ手術について

ワキガは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚の常在菌によって分解されることで、特有の臭いが生じる疾患です。
ワキガに対して健康保険が適用される治療には、外用薬のエクロックゲル5%やラピフォートワイプ2.5%、ボトックス注射、そして外科的手術である剪除法(皮弁法)があります。ただし、エクロックゲルおよびラピフォートワイプは原発性腋窩多汗症、ボトックス注射は重度の原発性腋窩多汗症に対する治療として保険適用が認められており、いずれもワキガそのものに対する保険適用ではありません。
これらの中でも、剪除法(せんじょほう)は、ワキガに対して保険適用が認められている代表的な外科的治療です。剪除法では、ワキの皮膚を切開し、アポクリン汗腺を目視で確認しながら直接除去することで、臭いの根本原因を取り除くことが可能です。
ワキガの診断について
剪除法を保険診療として受けるには、医師によるワキガの診断が必要です。診断は主に問診と、臭いの強さを評価する検査によって行われます。問診では、ワキガの発症時期、耳垢の性状(湿っているか乾いているか)、家族歴などを確認し、総合的に判断します。
臭いの評価には、ガーゼテストが一般的に用いられます。この検査では、ワキの下にガーゼを一定時間挟み、取り出したガーゼの臭いを医療従事者が嗅覚で客観的に判定します。
ガーゼテストによる重症度判定
ステージ | 判定基準 |
---|---|
ステージⅠ | 臭わない |
ステージⅡ | ガーゼがわずかに臭う |
ステージⅢ | 鼻にガーゼを近づけると臭う(軽度) |
ステージⅣ | ガーゼを近づけなくても臭う(中度) ※横にいてわかる程度 |
ステージⅴ | ガーゼを手に持っただけで臭う(重度ワキガ) ※人を間に挟んでいてもわかる程度 |
剪除法によるワキガ治療

ワキガの治療法には、外用薬、ボトックス注射、ミラドライ、手術療法など、さまざまな選択肢があります。その中でも、保険適用が認められ、高い治療効果が期待できる方法として挙げられるのが「剪除法」です。
剪除法は「皮弁法(ひべんほう)」とも呼ばれ、ワキガの原因であるアポクリン汗腺を、目で確認しながら直接切除する外科的手術です。ワキガ治療の中では、最も高い根治効果が期待できる方法として広く行われています。
手術では、ワキの中央部を約3〜5cmほど切開し、皮膚を反転させて裏側にあるアポクリン汗腺を一つずつ丁寧に除去します。このように直視下で確実に汗腺を取り除くことで、再発率が低く、ワキガの根治が可能になります。
ワキガに対する剪除法の効果

剪除法は、ワキガの原因となるアポクリン汗腺を直接取り除く手術であり、長期的かつ高い治療効果が期待できる方法です。
実際に、海外の臨床研究では、剪除法を受けた腋臭症(ワキガ)患者の95%以上において臭いの明らかな改善が認められたと報告されており、効果の持続性や患者満足度の高さが示されています 1,2)。
【参考文献】
1)Liu Q, Zhou Q, Song Y, et al. Surgical subcision as a cost-effective and minimally invasive treatment for axillary osmidrosis. J Cosmet Dermatol 9: 44-9, 2010
2)Qian JG, Wang XJ. Effectiveness and complications of subdermal excision of apocrine glands in 206 cases with axillary osmidrosis. J Plast Reconstr Aesthet Surg, 63: 1003-7, 2010
ワキガ手術のクリニック選びのポイント

ワキガの根治が期待できる「剪除法」は、アポクリン汗腺を直視下で丁寧に除去する手術であり、高い効果が期待できる一方、高度な技術力と豊富な経験を要する専門性の高い手術です。
そのため、執刀医の技術や症例数によって、術後の効果や再発リスク、さらには傷跡の目立ちやすさにまで大きな差が生じる可能性があります。
こうした背景を踏まえると、ワキガ手術を受ける際には、剪除法の経験が豊富でワキガ治療に精通した医師が在籍する、信頼性の高いクリニックを選ぶことが重要です。
まとめ

ワキガに対して保険適用が認められ、高い治療効果が期待できる方法として「剪除法」が挙げられます。剪除法は、ワキガの原因であるアポクリン汗腺を目視で確認しながら直接取り除く外科的手術であり、ワキガ治療の中でも特に効果が高い方法として広く行われています。
ただし、術後の効果や再発リスク、傷跡の目立ちやすさには、執刀医の技術力や経験が大きく影響します。そのため、手術を受ける際には、豊富な実績を持ち剪除法に精通した医師が在籍する、信頼できるクリニックを選ぶことが非常に重要です。
ワキガ治療・剪除法は古林形成外科難波院

大阪府大阪市の古林形成外科難波院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が剪除法によるワキガ治療を行っています。
当院では、術中・術後の痛みをできる限り抑えるために、局所麻酔の工夫や術前の十分な説明を行い、患者様に安心して手術を受けていただけるよう努めています。また、手術後の仕上がりにもこだわり、形成外科の縫合技術を活かして、傷あとが目立ちにくく自然な仕上がりを目指しています。
ワキガでお悩みの方や、剪除法による治療をご検討中の方は、当院までご相談ください。