剪除法の傷跡は残る？目立たせないためのポイントと経過を解説

大阪府大阪市の古林形成外科難波心斎橋院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が、患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。

ワキガ治療の中でも高い効果が期待できる「剪除法（せんじょほう）」は、アポクリン汗腺を直視下で確認しながら確実に取り除ける点がメリットです。一方で、切開を伴う手術であることから、術後の傷跡がどの程度残るのか、どのような経過をたどるのかといった点に不安を抱く方も少なくありません。

本記事では、剪除法とはどのような治療か、そして術後の傷跡についてわかりやすく解説します。また、傷跡をできるだけ目立たせないためのポイントや、クリニック選びで押さえておきたい点についても詳しく紹介します。

剪除法とは？傷跡ができる理由について

剪除法は、ワキガ（腋臭症）の原因となるアポクリン汗腺を、皮膚を切開して直視下で丁寧に取り除く治療法です。アポクリン汗腺を直接確認しながら確実に除去できる点が大きな特徴であり、高い治療効果が期待できます。

この手術では、ワキのしわに沿って数センチの切開を加え、皮膚を反転させてアポクリン汗腺を一つひとつ確認しながら除去します。アポクリン汗腺は皮膚の深い層（真皮深層〜皮下組織）に存在するため、皮膚表面からアプローチする治療（ミラドライなど）と比べ、汗腺をより確実に取り除ける点がメリットです。

ただし、剪除法は切開を伴う手術である以上、傷跡が残ることは避けられません。切開線を丁寧に縫合することで目立ちにくくすることは可能ですが、創傷治癒の過程で線状の瘢痕が形成されるため、完全に傷跡をなくすことはできません。これは外科的治療に共通する特性であり、剪除法でも同様です。

剪除法の傷跡はどれくらい残る？

剪除法で生じる傷跡は、ワキのしわに沿ってつくられる数センチほどの線状の瘢痕が基本となります。術後の赤みや腫れが落ち着くにつれて徐々に目立ちにくくなり、時間の経過とともに細く薄い線のようになっていきます。最終的にはワキのしわに沿ってうっすらと残る程度となり、多くの場合は日常生活で気にならないレベルまで落ち着きます。

術後1〜3ヶ月ほどの間は赤みが強く、触れると硬さを感じることがありますが、これは創傷治癒の過程でみられる正常な反応です。多くの場合、6ヶ月〜1年ほどかけて赤みや硬さが徐々に落ち着き、最終的には白っぽい細い線となって周囲の皮膚になじんでいきます。

ただし、ケロイド体質や肥厚性瘢痕ができやすい体質の方では、傷跡が厚く残る場合があります。また、ワキは汗や摩擦が多い部位であるため、術後の縫合部の固定が不十分だと瘢痕が広がる可能性があります。そのため、術後の固定・圧迫・安静といったケアを適切に行うことが重要です。

剪除法による傷跡が完全に消えるわけではありませんが、適切なケアと時間の経過により、多くの方では目立ちにくい状態へと落ち着いていきます。

剪除法の傷跡を目立たせないためのポイント

剪除法の傷跡を目立たせないためには、経験豊富な執刀医による手術と術後の適切なケアの両方が重要です。

剪除法では、執刀医の技術や経験が治療効果だけでなく、術後の傷跡の仕上がりにも大きく影響します。切開の位置や深さ、皮膚の扱い方、縫合の丁寧さなど、手術の一つひとつの工程が最終的な見た目を左右します。そのため、傷跡をできるだけ綺麗に仕上げたい場合には、経験豊富な医師による手術を受けることが大切です。

さらに、術後のケアも傷跡を綺麗に治すために欠かせません。医師の指示に従い適切な圧迫と固定を行うこと、摩擦や刺激を避けること、安静を守ることが基本となります。これらを守ることで創部が安定し、時間の経過とともに傷跡は自然と目立ちにくくなっていきます。

剪除法のクリニック選びのポイント

剪除法はワキガ治療の中でも高い効果が期待できますが、切開を伴う手術であるため、医師の技術や術後管理の質が結果に大きく影響します。ここでは、クリニックを選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。

執刀医の経験と技術力

剪除法で最も重要となるのは、執刀医の経験と技術力です。

アポクリン汗腺は皮膚の深い層に存在するため、皮膚を丁寧に反転させ、汗腺を一つずつ確認しながら除去する高度な手技が求められます。切開線のデザイン、皮膚の扱い方、止血の丁寧さ、縫合方法など、手術の細かな工程の積み重ねが治療効果と傷跡の仕上がりを左右します。そのため、剪除法の症例数が多く、日常的にワキガの手術を行っている医師を選ぶことが大切です。