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医療コラム

ワキガは人にうつる?誤解されやすい原因と正しい対策を専門医が解説

ワキガに関する悩み

大阪府大阪市の古林形成外科 難波心斎橋院です。当院では日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせた、ワキガ治療をご提供しています。

本記事では、ワキガは人にうつるのかという疑問をはじめ、誤解されやすい理由、日常生活でできる対策、そして医療機関で行う治療法について解説します。

ワキガは人にうつる?専門医が解説

ワキガ治療

結論からいうと、ワキガが人にうつることはありません。ワキガは感染症ではなく、遺伝や体質によって起こるものです。

ワキガは「アポクリン汗腺」という汗腺の働きによって発生します。アポクリン汗腺から分泌される汗そのものには臭いはありませんが、皮膚の常在菌がこの汗を分解する過程で独特の臭いが生じます。

つまり、臭いの原因は「菌がうつること」ではなく、「アポクリン汗腺の数や働き」と「本人の体質」によるものです。

そのため、ワキガの人と接触しても、ワキガが人にうつることはありません。

ワキガがうつると誤解される理由

ワキ汗やワキガの臭い

ワキガは人にうつることのない体質的な疾患ですが、周囲の人や本人が「うつったのでは?」と感じてしまうことがあります。ここでは、ワキガがうつると誤解される主な理由を解説します。

1.衣類や寝具に臭いがうつるため

ワキガの臭い成分には脂肪酸やアンモニアなどの揮発性物質が含まれており、衣類や寝具、ソファなどの布製品に付着しやすい性質があります。特に、汗を吸収しやすい素材の衣服を長時間共有したり、同じ布団で寝るなどの生活環境では、臭いが一時的に移ることがあります。

しかし、これは「臭いが移る」だけであり、「体質がうつる」わけではありません。

2.臭いが「慣れ」や「同調」で似てくる

同じ空間に長時間いると、空気中の臭い成分に嗅覚が慣れてしまったり、自分自身からも同じような臭いがするように錯覚することがあります。特に、身近な人がワキガ体質の場合、「自分も同じ臭いがする気がする」=「うつったのでは」と感じてしまうケースが少なくありません。

3.家族で発症しやすいため感染と誤解される

ワキガは遺伝性の体質であり、親子や兄弟で発症することが多い疾患です。家族内で複数人が同じような臭いを持つと、外部の人からは「うつったのでは?」と誤解されやすくなります。

実際には「遺伝によって同じ体質を受け継いでいる」だけであり、感染ではありません。

4.精神的ストレスによる体臭の変化

人は緊張やストレスを感じると、交感神経が刺激されて汗の分泌が増えます。この時の汗は臭いやすく、特にアポクリン汗腺が発達している人では臭いが強くなる傾向があります。

たとえば、「職場でワキガの人が近くにいて臭いが気になる」→「自分も同じ臭いがする気がする」という心理的ストレスがきっかけで、実際に体臭が強くなる場合があります。

ワキガのセルフチェック方法

ワキガの臭い

ワキガは、アポクリン汗腺の発達や遺伝的な体質が関係しているため、いくつかの特徴を知ることでセルフチェックが可能です。ここでは、代表的なチェック項目について解説します。

1. 耳垢が湿っている

耳の中にもアポクリン汗腺が多く存在するため、耳垢が湿っているタイプの人はアポクリン汗腺が発達している傾向があり、ワキガ体質との関連が指摘されています。耳垢がベタついている、湿っているといった特徴がある場合は、ワキガ体質の可能性があります。

2.ワキ毛が太い・濃い・量が多い

アポクリン汗腺は毛の根元に多く存在するため、ワキ毛が太く濃い、または量が多い人は、ワキガ体質の傾向があるといわれています。ただし、毛の濃さだけで判断することはできないため、他の項目とあわせてチェックすることが大切です。

3. 家族にワキガ体質の人がいる

ワキガは遺伝の影響が大きく、両親のどちらかがワキガの場合、子どもに遺伝する可能性は約50%、両親ともにワキガの場合は約80%といわれています。家族に同じような体質の人がいる場合、自分もワキガ体質である可能性があります。

4. シャツのワキが黄ばみやすい

アポクリン汗腺から分泌される汗には、脂質やたんぱく質などが含まれています。これらの成分が酸化することで、衣類のワキ部分が黄色く変色することがあります。衣服のワキが黄ばみやすい場合は、ワキガ体質のサインのひとつと考えられます。

ワキガの対策と治療法

ワキガの診察

ワキガは体質に由来するため、根本的に完全な予防ができるわけではありません。しかし、日常生活で工夫できる対策や、医療機関で受けられる治療によって、臭いを抑えることが可能です。

日常生活でできる対策(セルフケア)

ワキガの臭いは、アポクリン汗腺から分泌された汗が皮膚の常在菌によって分解されることで生じるため、まずは「ワキを清潔に保つこと」が基本となります。汗をかいた際はこまめに拭き取り、入浴時には丁寧に洗うことで臭いの発生を抑えることができます。

また、適度な運動は新陳代謝を促し、汗腺の働きを整えるだけでなく、ストレス軽減にも役立つため、ワキガの症状の間接的な改善が期待できます。食生活においても、脂質や動物性タンパク質の多い食事、香辛料の強い料理は臭いを強める要因となるため、野菜や魚を中心としたバランスの良い食事を心がけることが大切です。

さらに、喫煙や過度な飲酒は交感神経を刺激して発汗を増やし、結果的に臭いを強めることがあります。タバコやアルコールの摂取を控えることで、ワキガの症状の軽減が期待できます。

医療機関でのワキガ治療

日常生活でのセルフケアを続けても臭いが改善しない場合は、医療機関での治療を検討することが勧められます。ワキガ治療には、外用薬、ボトックス注射、手術(剪除法)、ミラドライなど複数の方法があり、症状の程度や患者さまの希望に応じて適切な治療を選択します。

外用薬では、エクロックゲルやラピフォートワイプが主に使用されます。これらは原発性腋窩多汗症に保険適用があり、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えることで発汗量を減らします。効果には個人差があるため、継続した使用が必要です。

ボトックス注射は、A型ボツリヌス毒素が神経に作用し、汗の分泌を抑える治療法です。重度の原発性腋窩多汗症に対して保険適用が認められており、数日以内に効果が現れます。持続期間は約4〜6か月で、効果を維持するためには定期的な施術が必要です。

手術治療としては剪除法(せんじょほう)が一般的で、ワキを切開してアポクリン汗腺を直接確認しながら取り除く方法です。腋臭症に対して保険適用が認められており、根治を目指す治療法として高い効果が期待できます。

ミラドライは、マイクロ波エネルギーによって汗腺を熱で破壊する施術で、皮膚を切らずに行えるためダウンタイムが短い点が特徴です。ワキガの根治が期待できますが、自由診療となります。

まとめ|ワキガはうつらない。正しい知識と治療で解決を

ワキガ治療

ワキガは感染症ではなく、主に遺伝や体質によって起こるものであり、人にうつることはありません。衣類に臭いが移ることや、家族内で似た症状が見られること、ストレスによって体臭が強くなることなどから「うつったのではないか」と誤解される場合がありますが、ワキガ自体がうつることは決してありません。

自身がワキガ体質かどうかは、耳垢の性状、ワキ毛の特徴、家族歴、衣類の黄ばみといった項目からセルフチェックが可能です。臭いに悩んでいる場合は、まず日常生活でできるセルフケアに取り組み、それでも改善がみられないときは医療機関での治療を検討することが推奨されます。

医療機関では、外用薬、ボトックス注射、剪除法、ミラドライなど、症状の程度や希望に応じて適切な治療を受けることができます。

ワキガ治療は古林形成外科 難波心斎橋院

古林形成外科難波院

大阪府大阪市の古林形成外科 難波心斎橋院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせた、ワキガ治療をご提供しています。

当院では、ミラドライ、剪除法、ボトックス注射などの治療を行っており、症状の程度やライフスタイル、ご希望に合わせた治療のご提案が可能です。

ワキガでお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。

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古林形成外科 難波心斎橋院
古林形成外科 難波心斎橋院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供します。
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