ワキガの診断方法とは?セルフチェックと治療法を詳しく解説

大阪府大阪市の古林形成外科難波院です。当院では日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
本記事では、ワキガの診断方法やセルフチェックのポイント、さらに治療法の種類について解説します。ぜひご参考ください。
ワキガの診断方法

ワキガは、セルフチェックである程度の目安を知ることはできますが、正確な診断には医師による診察が欠かせません。ここでは、ワキガの概要と診断方法について解説します。
ワキガとは
ワキガは、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれる疾患で、ワキの下から特有の強い臭いが生じるのが特徴です。ワキガの臭いは、硫黄のようなにおい、スパイシーな香り、あるいは濡れた雑巾のようなにおいなどと表現されることがあります。
人の体には、汗を分泌する「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺があります。このうち、ワキガの臭いの主な原因となるのはアポクリン汗腺です。アポクリン汗腺から分泌される汗自体は無臭ですが、皮脂と混ざり合い、皮膚表面に存在する常在菌によって分解されることで、臭いのある物質が生成されます。その結果、ワキガ特有の臭いが発生します。
ワキガの診断
ワキガの診断は、主に医師による問診と臭いの強さを評価する検査によって行われます。
問診では、症状が出始めた時期や家族歴の有無を確認し、さらに耳垢の性状(湿っているか・乾いているか)など、ワキガに関連する情報を総合的に判断します。
臭いの評価には「ガーゼテスト」が一般的に用いられます。この検査では、ワキの下にガーゼを一定時間挟み、取り出したガーゼを嗅覚で確認することで臭いの強さを客観的に判定します。ガーゼテストによる重症度の判定は、定められた基準に基づいて行われます。
ガーゼテストによる重症度判定
ステージ | 判定基準 |
---|---|
ステージⅠ | 臭わない |
ステージⅡ | ガーゼがわずかに臭う |
ステージⅢ | 鼻にガーゼを近づけると臭う(軽度) |
ステージⅣ | ガーゼを近づけなくても臭う(中度) ※横にいてわかる程度 |
ステージⅴ | ガーゼを手に持っただけで臭う(重度ワキガ) ※人を間に挟んでいてもわかる程度 |
ワキガのセルフチェック方法

ワキガかどうかを確認する一つの方法として、セルフチェックがあります。セルフチェックの目安となる項目は以下の通りです。複数の項目が当てはまる場合、ワキガの可能性が高いと考えられます。
- 家族にワキガの人がいる
- 耳垢が湿っている
- シャツや下着の脇の部分に黄ばみがつきやすい
- 脇毛が濃い
- 緊張時やストレスを感じている時に体臭が強くなる
ただし、セルフチェックだけで確定診断はできないため、気になる症状がある場合は、専門医へ相談することをおすすめします。
ワキガの治療法の種類

ワキガの治療法には、大きく分けて症状を一時的に抑える「対症療法」と、原因であるアポクリン汗腺を直接取り除いたり、破壊したりする「根治療法」があります。ここでは、それぞれの治療法の特徴についてご紹介します。
対症療法となる治療法
外用薬(エクロックゲル/ラピフォートワイプ)
エクロックゲルおよびラピフォートワイプは、原発性腋窩多汗症に対して保険適用が認められている外用薬です。いずれも、神経伝達物質であるアセチルコリンの作用をブロックすることで発汗を抑制します。
個人差はありますが、効果は徐々に現れ、症状の改善を感じるまでには一定の期間を要します。また、効果が現れた後も継続的な塗布が必要となります。
ボトックス注射
ボトックス注射は、A型ボツリヌス毒素をワキの皮下に注射することで、神経と汗腺の信号伝達を遮断し、発汗を抑制する治療法です。重度の原発性腋窩多汗症に対して保険適用が認められています。
注射後数日で効果が現れ、発汗抑制効果は約4〜6カ月持続します。効果を維持するには、4カ月以上の間隔をあけて定期的に再注射を行う必要があります。
根治療法となる治療法
手術(剪除法)
ワキガの代表的な手術として、剪除法(せんじょほう)が挙げられます。剪除法は皮弁法(ひべんほう)とも呼ばれ、ワキの皮膚を切開し、アポクリン汗腺を目視下で直接除去する方法です。ワキガ(腋臭症)に対して保険適用が認められています。
原因となるアポクリン汗腺を確実に除去できるため、高い治療効果が期待でき、ワキガの根治が可能です。術後は圧迫固定や安静が必要となり、一定のダウンタイムを要しますが、ワキガ治療の中でも高い効果が期待できます。
ミラドライ
ミラドライは、マイクロ波を照射することで汗腺を熱により破壊し、発汗を抑制する医療機器です。国内では、原発性腋窩多汗症に対する治療機器として薬事承認を取得しています。
マイクロ波により破壊された汗腺は活動を停止し、再生しないとされているため、効果は半永久的に持続すると考えられています。皮膚を切開しないため傷跡が残らず、低侵襲な治療である点も特徴です。
保険適用外のため治療費は高額となりますが、根治治療を希望しつつ、手術に抵抗のある方やダウンタイムを避けたい方に適した治療法です。
まとめ

ワキガの診断は、主に医師による問診と臭いの強さを評価する検査によって行われます。問診では、症状が現れ始めた時期や家族歴の有無などを確認し、関連する情報を総合的に判断します。臭いの評価には、一般的に「ガーゼテスト」が用いられます。
こうした問診や検査によってワキガと診断された場合、症状の程度や患者さまのライフスタイルに応じた治療が行われます。
治療法には外用薬、ボトックス注射、手術(剪除法)、ミラドライなど多様な選択肢があり、それぞれ効果や持続性、費用、ダウンタイムに違いがあります。そのため、医師と相談しながら、自身に合った治療法を選ぶことが重要です。
ワキガ治療は古林形成外科難波院

大阪府大阪市の古林形成外科難波院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
当院では、ミラドライ、剪除法、ボトックス注射などの治療を行っており、症状の程度やライフスタイル、ご希望に合わせた治療のご提案が可能です。
ワキガでお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。