アポクリン汗腺を除去する方法|手術・ミラドライの特徴と選び方

大阪府大阪市の古林形成外科難波院です。当院では日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
本記事では、アポクリン汗腺を除去する代表的な治療である「手術療法」と、それに近い効果が得られる「ミラドライ」について、それぞれの特徴や選び方を解説します。ぜひご参考ください。
アポクリン汗腺を除去する方法

アポクリン汗腺を除去する方法としては、外科的な手術療法が代表的であり、それに近い効果が得られる治療としてミラドライも挙げられます。
ここでは、まずアポクリン汗腺の基本知識を確認した上で、アポクリン汗腺を除去する具体的な方法について解説します。
アポクリン汗腺の基本知識

汗を分泌する汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
エクリン汗腺は全身の皮膚に広く分布し、皮膚表面に直接開口しています。分泌される汗の成分の大半は水分で、さらっとした性質を持ち、体温調節の役割を担っています。
一方、アポクリン汗腺はワキ、乳首、陰部、外耳道など特定の部位に分布し、毛包内に開口しています。分泌される汗にはタンパク質・脂質・脂肪酸などが含まれ、これらが皮膚の常在菌によって分解される過程で臭いの原因物質が生成され、ワキガの主な原因となります。
アポクリン汗腺を除去する方法
アポクリン汗腺を根本的に減らす方法としては、外科的に直接取り除く手術療法があります。代表的な方法が「剪除法(せんじょほう)」で、ワキの皮膚を切開し、汗腺を目視で丁寧に取り除く治療です。
また、除去ではありませんが、マイクロ波の熱でアポクリン汗腺を焼灼・凝固する「ミラドライ」も、除去に近い効果が得られる方法として知られています。
ワキ汗(腋窩多汗症)に対しては、外用薬やボトックス注射といった治療もありますが、これらは発汗機能を一時的に抑えるものであり、アポクリン汗腺自体を除去するものではありません。
手術でアポクリン汗腺を除去

アポクリン汗腺を根本的に減らす代表的な方法として、手術療法があります。なかでも広く行われているのが「剪除法(せんじょほう)」です。
剪除法は「皮弁法(ひべんほう)」とも呼ばれ、ワキガの原因となるアポクリン汗腺を目で確認しながら直接切除する手術法です。ワキガ治療の中でも特に高い効果が期待できる方法として知られています。
手術では、ワキの中央部を約3〜5cm切開し、皮膚を反転させて裏側にあるアポクリン汗腺を一つひとつ丁寧に除去します。直視下で確実に汗腺を取り除けるため、再発率が低く、根治が期待できる点が大きな特徴です。
また、剪除法はワキガ(腋臭症)に対して保険適用が認められており、保険診療で治療を受けられるため、経済的負担を軽減できることも利点です。
一方で、ダウンタイムが長く、仕事や生活に支障が出ることがあるほか、傷あとが残る可能性がある点がデメリットとして挙げられます。
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ミラドライでアポクリン汗腺を焼灼・破壊

アポクリン汗腺を除去するのに近い効果が得られる方法として、ミラドライ治療があります。
ミラドライは、重度の原発性腋窩多汗症(ワキの多汗症)の治療機器として国内で薬事承認を取得している医療機器です。マイクロ波を用いて汗腺を熱で焼灼・破壊し、発汗を抑制する仕組みで、破壊された汗腺は活動を停止し、その機能が再生することはないため、効果は半永久的とされています。
ワキガの根治治療としては、剪除法をはじめとする外科的手術が一般的ですが、どうしても傷跡が残るリスクがあります。その点、ミラドライはメスを使わずに治療でき、身体への負担が少ないうえ、半永久的な効果が期待できる点が大きなメリットです。
一方で、ミラドライは保険適用外の自費診療となるため、治療費は全額自己負担となります。費用は医療機関によって異なりますが、1回の施術で20万円〜40万円程度かかるのが一般的であり、経済的負担が大きいと感じる方も少なくありません。
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まとめ|アポクリン汗腺の除去は手術かミラドライか?

アポクリン汗腺を除去する方法としては、剪除法をはじめとする手術療法が代表的であり、それに近い効果が得られる治療としてミラドライも挙げられます。
剪除法は、効果が高くワキガの確実な根治が期待できる一方で、ダウンタイムが長く傷あとが残る可能性があります。ただし、保険適用で治療できるため、経済的負担を抑えられる点がメリットです。
一方、ミラドライはメスを使わないため身体への負担が少なく、半永久的な効果が期待できますが、保険が適用されず高額な自費治療となる点がデメリットです。
どちらの治療法が適しているかは、日常生活への影響、傷跡リスクの受け止め方、費用面などによって異なります。そのため治療を検討する際は、専門医に相談し、自分に合った方法を選択することが大切です。
ワキガ治療は古林形成外科難波院

大阪府大阪市の古林形成外科難波院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
当院では、ミラドライ、剪除法、ボトックス注射などの治療を行っており、症状の程度やライフスタイル、ご希望に合わせた治療のご提案が可能です。
ワキガでお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。