急にワキガになることはある?考えられる原因と対策を解説

大阪府大阪市の古林形成外科難波院です。当院では日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
本記事では、急にワキガになったと感じる原因やその対策について解説します。ぜひご参考ください。
急にワキガになることはある?

結論からいうと、ワキガがある日突然発症するということは、基本的にありません。
汗腺には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があり、ワキガの主な原因は、アポクリン汗腺から分泌される汗にあります。この汗自体にはほとんど臭いがありませんが、ワキの下に存在する皮膚常在菌と混ざり合うことで、臭気成分が生成され、ワキガ特有のにおいが発生します。
アポクリン汗腺は、思春期にあたる第二次性徴期から20代にかけて徐々に発達していくものであり、突然、急激に増えることはありません。そのため、「急にワキガになる」といった現象は、医学的には起こりにくいとされています。
ただし、食生活の乱れやストレス、睡眠不足、ホルモンバランスの変化などの影響により、もともと存在していたワキガのにおいが一時的に強くなることがあります。そのため、それまで自覚のなかったにおいに突然気づき、「急にワキガになった」と感じる方もいらっしゃいます。
急にワキガになった感じる原因

「急にワキガになる」ということは、基本的に起こりません。しかし、あるきっかけを境に、もともと存在していたワキガの臭いが強くなり、「急にワキガになった」と感じる方がいらっしゃいます。ここでは、ワキガの臭いが強くなる主な原因について解説します。
不衛生な状態
ワキを十分に洗浄せずに放置すると、汗や皮脂、老廃物、常在菌がたまりやすくなり、臭いが強まる原因となります。アポクリン汗腺から分泌された汗は、皮膚表面の細菌によって分解され、臭いのある成分に変化するため、衛生状態が悪化すると臭いも強くなります。
食生活の乱れ
高脂肪・高カロリーな食事や動物性たんぱく質の過剰摂取は、皮脂の分泌を促進し、ワキガの臭いを強める可能性があります。臭い対策の観点からは、魚介類や大豆製品などの良質なたんぱく質を中心とした、バランスの取れた食事が推奨されます。
ストレスの影響
強いストレスは自律神経を刺激し、「精神性発汗」を引き起こします。この汗はアポクリン汗腺からの分泌を増加させ、結果として臭いが強まることがあります。また、ストレスは免疫バランスを乱すことで皮膚常在菌の繁殖を助長し、これも臭いの悪化に影響します。
運動不足
運動不足により汗をかく機会が少ないと、体内の老廃物が蓄積されやすくなり、皮膚から分泌される汗の臭いが強くなることがあります。適度な運動は代謝を促進し、汗の質を改善することでワキガの臭いの軽減につながります。
アルコールや喫煙の習慣
アルコールやニコチンはアポクリン汗腺を刺激し、その働きを活発にさせる作用があります。また、これらの摂取により体内に代謝物が蓄積し、皮膚を通じて排出されることで、独特の臭いが強まる傾向があります。
ホルモンバランスの乱れ
性ホルモンや副腎皮質ホルモンの変化は、アポクリン汗腺の活動に直接関与しています。思春期、月経前後、更年期など、ホルモンバランスが不安定になる時期には、一時的にワキガの臭いが強くなることがあります。
気になるワキガの臭いへの対策

ワキガは、本人にとって大きなストレスとなるだけでなく、日常生活の質にも影響を及ぼすことがあります。ここでは、自分で取り組めるセルフケアから、医療機関で受けられる治療まで、ワキガに対する主な対策についてご紹介します。
衛生環境を整える
ワキを常に清潔に保つことは、ワキガの臭いを抑える基本的な対策です。汗や皮脂をこまめに拭き取り、殺菌作用のある石けんやボディソープで洗浄することで、臭いの原因となる皮膚常在菌の繁殖を防ぐことができます。
食生活を見直す
高脂肪・高カロリーな食事は、皮脂分泌や体臭を悪化させる可能性があります。脂質を控えめにし、良質なたんぱく質を含む大豆製品や魚、野菜中心のバランスの取れた食事を意識することが大切です。
ストレスを溜めない・定期的に運動を取り入れる
ストレスは自律神経を介して汗の分泌を増加させるだけでなく、アポクリン汗腺の活動も活発化させる可能性があります。定期的な運動はストレスの解消に加え、老廃物の排出や代謝の促進にも効果的です。これにより体臭の改善が期待できます。
飲酒・喫煙を控える
アルコールやタバコに含まれるニコチンは、汗腺を刺激しアポクリン汗腺の働きを活性化させることが知られています。ワキガが気になる方は、飲酒や喫煙の頻度を見直すことも対策の一環となります。
衣類・生活環境の工夫
通気性や吸汗性に優れた衣類を選ぶことで、ワキの蒸れを防ぎ、臭いの拡散を抑えることができます。また、抗菌・消臭機能のあるインナーを活用したり、洗濯時に抗菌効果のある洗剤を使用するのも有効です。
医療機関での治療
セルフケアだけでは十分な効果が得られない場合は、医療機関での治療を検討しましょう。外科的治療(剪除法などの手術)をはじめ、ミラドライやボトックス注射、外用薬による治療など、症状の程度やライフスタイル、希望に応じた適切な方法を選択することで、ワキガの根本的な改善が期待できます。
ワキガの治療について

ワキガの治療には、外用薬、ボトックス注射、手術(剪除法)、ミラドライなど、さまざまな選択肢があります。症状の程度やライフスタイルに応じて、適切な治療法を選ぶことが大切です。ここでは、各治療法の特徴についてご紹介します。
外用薬(エクロックゲル/ラピフォートワイプ)
エクロックゲルおよびラピフォートワイプは、原発性腋窩多汗症に対して保険適用が認められている外用薬です。いずれも、神経伝達物質「アセチルコリン」の作用をブロックすることで、発汗を抑制します。
手軽に使用できる点がメリットですが、効果の実感には一定の期間を要し、継続的な使用が必要となります。
ボトックス注射
A型ボツリヌス毒素をワキの皮下に注射することで、神経と汗腺の信号伝達を遮断し、発汗を抑制する治療法です。重度の原発性腋窩多汗症に対して保険適用があります。
施術後数日以内に効果が現れ、持続期間は約4〜6カ月とされます。定期的な再注射が必要となりますが、手術に抵抗がある方や、短期間の効果を希望される方には適した治療法です。
手術(剪除法)
剪除法(せんじょほう)は、ワキの皮膚を切開し、アポクリン汗腺を目視下で直接除去する外科的治療です。ワキガ(腋臭症)に対して保険適用が認められています。
原因となるアポクリン汗腺を確実に除去できるため、高い治療効果が期待でき、ワキガの根治が可能です。ただし、術後は圧迫固定や安静が必要となるため、一定のダウンタイムを要します。
ワキガの根治を確実に希望される方に適した治療法です。
ミラドライ
ミラドライは、マイクロ波を照射することで汗腺を破壊し、発汗を抑制する非侵襲的な治療機器です。国内で薬事承認を受けており、原発性腋窩多汗症に対する治療機器として使用されています。
汗腺を物理的に破壊するため、効果は長期的に持続し、再発のリスクも低いとされています。また、皮膚を切らない非侵襲的な治療法であり、傷跡が残らず、ダウンタイムも少ないのも特徴です。
保険適用外のため治療費は高額ですが、根治治療を希望しつつ、手術に抵抗のある方やダウンタイムを避けたい方に適した治療法です。
まとめ

ワキガは、ある日突然発症するものではなく、思春期以降にアポクリン汗腺が発達する過程で徐々に症状が現れます。ただし、食生活の乱れやストレス、睡眠不足、ホルモンバランスの変化などの影響により、もともとあったにおいが一時的に強くなることがあります。
ワキガは本人の精神的なストレスになるだけでなく、対人関係や仕事、学業など日常生活の質(QOL)にも影響を及ぼす可能性があります。セルフケアで改善が見られない場合は、専門の医療機関での治療を検討することが大切です。
治療法には、外用薬やボトックス注射といった対症療法から、剪除法やミラドライといった根治を目指す治療まで、さまざまな選択肢があります。特に剪除法やミラドライは、高い効果が期待でき、ワキガの根治が可能です。
ワキガ治療は古林形成外科難波院

大阪府大阪市の古林形成外科難波院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が患者様一人ひとりの状態に合わせたワキガ治療をご提供しています。
当院では、ミラドライ、剪除法、ボトックス注射などの治療を行っており、症状の程度やライフスタイル、ご希望に合わせた治療のご提案が可能です。
ワキガでお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。